こんにちは。
埼玉県の方で、ピアノをやっている方なら、ほとんどの方が知っていると思われる「埼玉ピアノコンクール」を3日間、見学したのでサクッと感想をまとめました。
なぜ3日間、見学したかというと、もちろん3日バラバラに参加される方がいたため。
これから「参加しようかな?」という方や、「生徒さんが参加している」という方のお役に立つような内容になっています。
彩の国 埼玉ピアノコンクールについて
埼玉ピアノコンクールは、1990年に始まったコンクールで、埼玉県内ですごく人気のあるコンクール。
人気の理由は、予選から埼玉芸術劇場の音楽ホールで演奏できることかと。
参加者は、かなり多いのに審査がすごく公平な印象があります。
埼玉ピアノコンクールに3日間、通った感想
ピアノの状態が3日間それぞれ違っていた…
- 1日目:ピアノの鳴りが悪い
- 2日目:少しピアノの鳴りが悪い
- 3日目:ピアノの状態が良い
こんな感じでした!
1日目は特に、しばらく弾いてないピアノを持ってきた弾いた感じ。
2日目も、基本的にそんな感じだけど、少し状態が良い。
3日目は、驚くほどピアノの状態が良かったです。
習いに来てくれている方に聞いたところ「弾きにくい…」なので、弾きにくいことは間違いなさそうです…。
ちなみにピアノは、ヤマハのフルコンサートグランド。
埼玉ピアノコンクールで使われているピアノの特徴
これは、来年から変わってしまう可能性があるけど、3年前に見学した時から同じなので、しばらくは同じピアノが使われるかと。
特徴をまとめました。(自分では弾いていないけど、生徒さんのお話と見学した感想で予測してます…)
- 鍵盤は重たい
- モコモコとした音
- しっかりタッチしないとピアノが鳴らない
しっかりとピアノを弾き込んで、名人が演奏したらかなり良いピアノかもです。
子供さんが弾くには難易度高めなピアノ
かなりしっかりタッチしないと「よく聞こえない…」となってしまうので、子供さんには基本的に難易度が高いと思います。
- 普段から音が大きめなタイプ→ちょうど良い
- 繊細なタイプ→よく聞こえない…
1日目は特にこんな感じの印象でした。
普段、かなりタッチがしっかりしている子を見学したけど「あれ、いつもの半分くらいの音だ…」という印象。
みなさん、基本的に弾きにくそうにしていたので、ちょっとかわいそうに思ったのは事実です。
3日目に弾いた子は、ピアノの状態をお伝えしたところ、ピアノに毛布か何か巻いて練習したようで、上手く演奏されました。
埼玉ピアノコンクールに参加する方にはオススメできるかと…笑
田村宏先生のお言葉:入賞の秘訣は「タッチ」にあるかと
昔、田村宏先生という有名なピアノの名教師がいらして、ある言葉を残しています。(田村先生は、小山実稚恵さんや若林顕さんなどを育てた方。芸大で一番怖い先生としても有名…笑 お顔を見ると優しそうですけどね。)
「タッチがダメだと良い演奏家になれない」
高校生の頃、田村先生のインタビューが本に書かれてあったのだけど、今だに忘れられない言葉でもあります。
さらに田村先生は、「脱力」も大事だと言われていて、実際に指導を受けた若林顕先生の言葉を引用すると、
- 物を投げると、重力の作用で自然と孤を描いて落ちていくように
- 鳴らしたあとに自然と飛んでいく音を、どう次の音で自然につないでいくか
- 自分のエゴでおかしな癖をつけて弾いてはならない
だそうです。(参考元はこちら)
埼玉ピアノコンクールに参加する際は、特に「タッチ」を研究すると、良い結果が得られるかな〜と思いました。
ちなみに田村門下の方の演奏を聴いてみると、共通点は「瑞々しい音」にあると思います。
気になる方は、小山実稚恵さん、若林顕さん、田部京子さんの演奏の聴き比べがオススメ)
タッチの強化「おすすめ→ポゴレリチの演奏を聴く」
さらに素晴らしいのは、このイーヴォ・ポゴレリチの演奏を聴いてみること。
ポゴレリチのタッチは、力強く、美しいタッチなので、コンクール前にもすごく参考になると思います。
田村門下の方のタッチは「みずみずしい」感じだけど、ポゴレリチは「力強くピアノを鳴らす」感じ。
参考にしやすいのは、ポゴレリチだと思います。
ポゴレリチの演奏を聴いているだけで、耳が潜在的に「力強いタッチ」を求める感覚になってくるので、聴いているだけでピアノが上手くなってくる感覚がありますね。
イヴォ・ポゴレリチについてや、おすすめの録音、最新の録音は下記でまとめています。
-
【名盤】ポゴレリチの最新のショパン→奇抜ではない
続きを見る
コンクールを見学する理由は3つ
- 次のステージに進んだ時のアドヴァイスができる
- 本番は変化する
- 落ちてしまった時に納得がいく
大きくはこの3つ。
たまに「全部聴きにいくの?」と驚かれるけど、基本行きます。笑(全部でないのは反省です…)
1:次のアドヴァイス
ピアノを弾いている時と、客席で聴いている印象って、まったく違うことが多いですよね。
特に、次のステージが同じホールの場合、その効果は大きいと思ってます。
2:本番は変化する
面白いことに、変化は人それぞれ。
- 本番→テンポが上がる、音が大きくなる
- 本番→テンポが下がる、音が小さくなる
こんな感じに、人によって変化するものです。
人間なので、「いつもと同じように演奏」するって思っている以上に難しい…
なので、テンポが速くなりそうな方には「落ち着いて」と、遅くなりそうな方には「テンション上げて」と上手くアドヴァイスはできないけど、少しは効果があるかなと。
3:落ちてしまった時に納得がいく笑
ピアノのコンクールって、すごく実力があっても落ちてしまうことがあるものです。
ところが、聴きにいけば、およその理由がわかるし、納得がいく。とこんな感じ。笑
まとめ;埼玉ピアノコンクールを3日間、連続で見学したのでブログに
審査員の方も、素晴らしい方ばかりだし、すごく良いコンクールでした。
音楽は、そもそもとして競争でもなければ、完ペキに評価のできるものじゃないけど、それでも埼玉県のピアノの文化の向上に一躍かっていますね。
楽しそうに参加されている方が多かったのも、すごく良い印象。
それでは終わりです!
通過率を知りたい方は、下記をどうぞ。
-
埼玉ピアノコンクールの通過率のまとめ
続きを見る