PR 楽譜の選び方

ラヴェルのピアノ曲「楽譜はどれを使うのがベスト??」

こんにちは。

ラヴェルのピアノ曲に挑戦したいけど、楽譜はどれを使えば良いか迷うな〜

 

こういった方のお役に立てる記事になっています。

 

最初に結論だけを言ってしまうと、原典版ではデュラン版、校訂版ではペルルミュテール版がオススメ。

子供の時から、この楽譜を先生にすすめていただいていたし、現在オススメしているのもデュラン版です。

最近「デュランが良いよ」とオススメしたところ、「あれ、今でもデュラン版がベストなのかな?」

と疑問に思ったため、徹底的に調べなおし、本記事でまとめてみました。

また、ペルルミュテール版の素晴らしさには、今さらながら感激して購入しています。

2022年10月現在のラヴェル のベストピアノ楽譜が見つかると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

ラヴェル のピアノ用楽譜【検討すべきは7つ】

ラヴェル のピアノ楽譜で、現在、楽器店やAmazonなどで手に入る楽譜は、主に7種類あります。

  • デュラン、日本語ライセンス版
  • ヘンレ版
  • ペルルミュテール版
  • 全音楽出版
  • 中井正子版
  • 春秋社版
  • 全音ピース

この7とおり。

この中で、原典版はデュラン版と、ヘンレ版。それ以外は校訂版になります。

 

原典版と校訂版の違いのまとめ

  • 原典版:ラヴェルが書いたことだけを出版した楽譜のこと
  • 校訂版:ラヴェルの研究者やラヴェルの演奏を得意としたピアニストによってペダルや演奏法が記載された楽譜のこと

こんな違いがあります。

 

原典版と校訂版 「どっちを選ぼうか迷う!」

選び方のポイントをまとめてみますね!

 

原典版を選んだ方が良い方

  • 専門的にピアノを勉強したい!
  • ペダルや表現は自分で考えられる
  • ペダルや表現は、レッスンを受けるから大丈夫

逆に原典版のデメリットは、ある程度の音楽の知識がないと、どうやって演奏したら良いかわからないという点。

 

校訂版を選んだ方が良い方は

  • 独学でラヴェルのピアノ曲に挑戦したい
  • ペダルは全部書いといて!
  • 憧れの方が校訂をしている

校訂版にもデメリットはあって、ラヴェルの本来の楽譜がわからないという点と、校訂した人のクセがそのままその人の演奏に近くなってしまうところ。

どちらもメリット・デメリットがあるけど、ここからは具体的にオススメポイントをまとめてみます!

 

ラヴェル のピアノ用楽譜【具体的にレビュー】

デュラン版日本語ライセンス版(原典版)

迷ったら、この楽譜を購入することをオススメします。

使いやすさ、価格の安さ、手に入りやすさのどれもがベスト。

世界中で一番使われているラベルの楽譜だし、音楽大学で一番使われているのも、ダントツにこのデュラン版。

ラヴェルの故郷であるフランスでもともと出版されているところも信頼性が高いポイントです。

注意点として「デュラン版」の表記がなく「日本語ライセンス版」とだけ表記されて売られている場合もあります。

ですが、間違いなくこれは「デュラン版」なのでご安心を!

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ヘンレ版(原典版)

ヘンレ版も素晴らしい原典版だけど、デュラン版が素晴らしいのであえて購入する必要はないかな?

という印象です。

ヘンレ版はドイツで出版されているだけあって、やっぱりドイツの作曲家であるバッハやベートーヴェンの楽譜を使う時に検討すると良いと思います。

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ペルルミュテール版(校訂版)

もし校訂版の購入を検討したいなら、このペルルミュテール版はとんでもなく素晴らしい楽譜です。

ヴラド・ペルルミュテールという方は、ラヴェルにピアノを師事したこともある偉大なピアニストで、あのアルフレッド・コルトーにもピアノを習っています。

ラヴェルが楽譜に書き込まなかった情報は、ペルルミュテールに伝えたとも言われているほど。

非常に詳しく楽譜にペダルのことや、表現方法が書かれていて、それを実際に試してみると驚くほどにしっくりくるのです。

また楽譜の見やすさ、価格の低さ、手に入りやすさのどれもが完璧。

ちなみにあの横山幸雄さんがフランスに留学した時に師事していた先生の一人は、このペルルミュテール先生です。

ラヴェルのピアノ曲をしっかりと勉強したい方の必須楽譜とも言えそうです。

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下記の「水の戯れ」に関する記事でも、この楽譜をご紹介しています!

水の戯れ
ラヴェル「水の戯れ」の難易度【解説&おすすめ楽譜】

続きを見る

 

全音楽出版(校訂版)

この楽譜は、作曲家の三善晃さんが解説し、フランスで勉強されたピアニストの海老璋子さんによって校訂された楽譜です。

解説の素晴らしさ、ペダルも記載されていて、非常に使いやすいです。

とはいえ、もしこれを購入するなら「ペルルミュテール版で良くないか」と思ってしまうのです…。

ペルルミュテール版がなければ、検討してみるとオススメな楽譜です。

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中井正子版(校訂版)

この楽譜も素晴らしく、同じくフランスで勉強されたピアニストの中井正子さんによって校訂された楽譜です。

ある意味では、上記の全音版とかなり近い内容の楽譜になっています。

三善晃さんの解説がない分、全音に見劣りしてしまう印象ですはあります。

ただ、非常にシンプルで見やすく、ペダルもわかりやすいので、ピアノを趣味で独学で挑戦したい方にオススメの楽譜です!

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春秋社版(校訂版)

この楽譜は、ペダルの表記はなく、原典版に近いような内容になっています。

原典版であるデュラン版が安く簡単に手に入りますので、何もこの楽譜でなくとも…という風に感じます。

スミマセン、正直に書きました…。

 

まとめ:ラベルのピアノ曲の楽譜【デュラン版とペルルミュテール版がすごい!】

実は同じフランス印象派の作曲家であるドビュッシーは、ラヴェルのようにコスパの良いデュラン版が手に入らないんですよね…

そんな意味では、ラヴェルの楽譜はかなり恵まれていると思います。

実は1997年まで、ラヴェルの著作権(50年+戦争で10年伸びた)が残っていて、日本でもかなり高額で楽譜が売られていたのです。

それが2000年頃に、日本語ライセンス版が売られはじめて、しかも価格が安く、手に入りやすく、フランス人特有のいい加減さも直されて、素晴らしい楽譜が完成したわけです。笑

そしてラヴェルの楽譜は、ペルルミュテール版もあり校訂版でも素晴らしい楽譜が手に入るところが良いですね。

この2択がとりあえずラヴェルの楽譜ではオススメです。

それでは終わります!

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