先日、ポリーニの新しい本が発売されたので読んでみました。
内容は、1970年頃から雑誌「音楽の友」と「レコード芸術」でインタビューを主にまとめた本です。
なんと40年にわたるインタビューが一冊になっています!
その本はこちら↓(ま〜間違いなく名著であることは確かです)
ポリーニの新刊をレビュー
今回レビューをするのは、こちらの本「マウリツィオ・ポリーニ 知・情・意を備えた現代最高峰のピアニストのすべて」です。
発売したのは2020年12月。
なんでレビュー記事なんて書くのかというと、「これはピアノの上達に役に立つな〜」と思ったから。
では、まずはポリーニのご紹介からしてみます。
マウリツィオ・ポリーニとは?
ざっくり簡単に解説してみます。
1943年イタリアに生まれた、現代で世界最高のピアニストの一人です。
18歳でショパンコンクールで優勝して、その時ルービンシュタインに「審査員の誰よりもピアノが上手い」と言われた話はものすごく有名な話。
その後、10年ほどはあまり演奏活動をしておらず(そんな人ポリーニ以外にはいないのでは‥)その間、イタリアの巨匠ミケランジェリのもとでピアノをさらに勉強したり、物理学を勉強していたようです。
10年ぶりに世の中に出てきてセンセーショナルになりました。
その時の録音は、こちら。
この演奏ってピアノの歴史に新しい1ページを刻んだかのような演奏です。
ポリーニはきっとピアノに新しい何かを求めたのかと。
ポリーニのオススメ録音については、下記の記事で詳しく解説しています。
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マウリツィオ・ポリーニ【5つの完璧な名盤】
続きを見る
ポリーニの本はここが良かった!
それは、あくまでもポリーニのインタビューであるということ。
誰かが推測でポリーニを語った訳ではなくて、ポリーニの言葉をまとめた本だということです。
後半はポリーニのエピソードが書いてあるけど、この本の大半はインタビューです。
Amazonでの口コミも今のところ1件だけだけど素晴らしいことが書かれていて嬉しい!
このインタビューで語られていることがあまりにも素晴らしいので、役に立ちそうなところをまとめてみたいと思います。
印象に残ったインタビュー
ルービンシュタインが私の肩に指をおいて
「どんなに腕の重みがあるか感じてごらん。この重さで弾くんだよ」
と教えてくれました。
これは、ショパンコンクールで優勝したすぐ後のインタビューです。
ポリーニはルービンシュタインの腕お重さに驚いて、その時の衝撃を忘れたことがないと語っています。
確かに腕の重さを意識しているように思えるのです。
こんな方におすすめ
- ポリーニのファン(写真多め。幼少から80代まで)
- ピアノを学習している(中学生以上なら読めるかな?)
- ピアノの歴史が知りたい(バッハ以前の音楽から現代音楽までポリーニが語っています)
ピアノの上達に役立つか?
初心者の方には、特に役に立たないと思います。
もしベートヴェンのソナタとかが少しでも弾けるのなら役に立つ内容だと思います。
そして音大生とかならこれはものすごく役に立つ!と言えます。
理由としては、巨匠が何を考えてピアノを演奏しているかわかるから。
取り入れるエッセンスがないわけない、という感じです。
まとめ:ポリーニの新刊をレビュー【80代、事故!?でもなお健在】
ポリーニってなんとピアノをはじめた時は、バッハの平均律から。
そして12歳の時ベートーヴェンのハンマークラヴィーアソナタを演奏してます。
これは、ポリーニのインタビュー動画の情報です。(スミマセンどの動画か忘れてしまいました)
ピアノの曲を知らない方のために少し解説すると、バッハの平均律は音大とかで必ず課題に出るバッハの曲です。(普通の人は10年ほどかかる)
ハンマークラヴィーアは1時間くらいかかるベートーヴェンの超大作です。
演奏も困難で、弾ける人はごくわずかです。
それを小学校5年生くらいで弾いてた‥‥
とにかくものすごい天才ってことです。
その大天才がこんなことを語っています。
「私自身も日々新しい世界を発見して、変化しつづけているのです」
確かに、60代の時の演奏と70代の時の演奏で違います。
最近発売されたショパンのCDでは、「より自由になっている」というような印象を受けました。
いくつになっても向上心を持っているポリーニに本当に尊敬です!
ポリーニの名演を聴きたい方は、下記からどうぞ。それでは終わります。
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マウリツィオ・ポリーニ【5つの完璧な名盤】
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