リストのオススメピアノ楽譜をまとめました。
結論「安く手に入るならブダペスト版。それ以外なら基本的には全音版」がオススメ。
しかし全音版は、注意が必要。というのも出版時期が50年ほど前のものから、最近のものまであってクオリティには差があります。
本記事では、
- リストの出版楽譜一覧
- 有名作品別、リストのオススメ楽譜
- リストの無料楽譜の使い道
などをまとめてあります!
リストのピアノ楽譜【出版社一覧】
- ブダペスト版
- ヘンレ版
- ペータース版
- ウィーン原典版
- シャーマー版
- コルトー版
- 全音版(一部、使いづらいものあり)
- 井口版(現代では使いづらい)
注意点
Amazon、楽天市場でわりと楽譜の値段が変わるので、比較してからの購入がオススメです。
基本的に、ピアノの楽譜に関してはAmazonが最安である場合が多いです。
ではここからはより詳しく。
リストの楽譜→オススメはブダペスト版。しかし…
ブダペスト版は、1907年にワイマールのリスト財団が始めた旧リスト全集を終了させ近代化させる目的で、ブダペスト社が1970年に新全集の刊行を始めました。
「ブダペスト」という名前は、もちろんリストの母国ハンガリーの首都。
長いことリストの楽譜=ブダペスト版で、プロフェッショナルを中心に使われてきた歴史があります。
もちろん現代でも最高のリストの楽譜の1つで、マイナーな作品などは「ブダペスト版でしか手に入らない…」という楽譜もあります。
ブダペスト版のデメリット→「値段が高い」
それは「価格がとにかく高い」ということ。
特に「超絶技巧練習曲」や「ハンガリー狂詩曲」の楽譜は高い印象で、全音版の4〜5倍くらいの値段。
これはたくさんあるピアノの楽譜の中でもトップクラスに高いです。
また値段の変動も大きいです。
とはいえ信頼性の高いブダペスト版。今でもそれなりに安く手に入る作品もあるので、サクッとまとめてみます。
ブダペスト版を検討すべきリスト作品【ラ・カンパネラなど】
- ラ・カンパネラ
- 2つの演奏会用練習曲
- ピアノソナタロ短調
- コンソレーション
- 詩的で宗教的な調べ
- 愛の夢(ギリギリ?)
このあたりはある程度安く手に入るので、ブダペスト版を検討する価値が高いと思います。
リストのオススメ楽譜→有名作品「カンパネラ/愛の夢/ため息/超絶など」
上記以外にも、下記の有名作品のオススメ楽譜を解説しました。
ハンガリー狂詩曲、コンソレーション、スペイン狂詩曲、巡礼の年
ではまずはラ・カンパネラから!
ラ・カンパネラ
有名作品ゆえ、楽譜も手に入りやすいです。(現在は上記のブダペスト版は「青色」に変わってます!)
ブダペスト版もそこまで高くなく手に入りますし、全音の楽譜も渡辺健二先生(芸大の教授)の素晴らしいのでオススメ楽譜です。
ピースでも手に入るけど、カンパネラが弾けるレベルなら「他の楽譜の方が…」といった感じです。
価格は変動するので、比較がオススメ。
愛の夢
リストの楽譜で最も多く出版されているのは、愛の夢です。
実際「全音、ヘンレ、ウィーン原典版、ブダペスト版、ピース、シャーマー版」など。
結論、「全音」が良いと思います。
ブダペスト版も良いけれど、価格がおよそ倍。ギリギリ検討できるかな?というくらいですね。
ほかにもヘンレ版やウィーン原典版もそこそこコスパ良く手に入ります。
ため息「3つの演奏会用練習曲 第3番」
ため息も全音版がオススメです。
以前はブダペスト版のみの出版でしたけど、素晴らしい全音版が手に入るので嬉しいかぎり。
安く入ればブダペスト版も素晴らしいけれど、2023年現在、価格の変動も激しく全音の3倍の価格になることも。
2倍を超えていなければ、ブダペスト版も検討する価値があると思います。
ちなみに現在「ため息」の価格に関しては楽天市場の方が安いです。(珍しい)
また「ため息」は全音版で「演奏会用練習曲」とだけ表記されているので、お間違えなく…。素晴らしいクオリティです。
超絶技巧練習曲
超絶技巧練習曲も、全音版が素晴らしいです。
やはりこちらも渡辺健二先生の運指が素晴らしいと思うのです。
そしてブダペスト版も昔から高かったけれど、現在は特に値段が高く全音版の3倍以上。
特にこだわりがなければ全音が良いと思います。
またヘンレ版でも出版されていて全音版の倍くらいのお値段。
こちらも「見やすさ、使いやすさ、かっこよさ」があります。(今調べたら「楽天」の方が安くなってました)
ハンガリー狂詩曲「全音版ではない方が…」
ハンガリー狂詩曲に関しては、全音版ではない方が良いと思います。
というのも、出版が1958年と古く、その後改訂版も出版されていません。
そしてブダペスト版もとにかく高い。すべて揃えると約2万円ほどします。
なのでオススメは、ヘンレ版。
また全集しかないもののペータース版も素晴らしい楽譜です。
1曲だけ取り組むなら「ヘンレ版」、数曲取り組むなら「ペータース版」といった感じに選ぶのがベターかと思います。
コンソレーション(慰め)
コンソレーションは、「ブダペスト版、ヘンレ版、ウィーン原典版、シャーマー版」が安く手に入りやすいです。
逆に全音版は「名曲集」に含まれるのみなので、オススメしにくいところ…。
ブダペスト版の価格を見て「それほど高くない」と感じたら、ブダペスト版がベストだと思います。
また実際にウィーン原典版を使ってみたところ、リナ・ラーマンという方の解説があり、さらにすごく使いやすいです。
スペイン狂詩曲
スペイン狂詩曲に関しては、ヘンレ版またはペータース版の2択。
どちらも素晴らしい楽譜です。
ブダペスト版は、リスト全集の12巻に入っていて、まるで聞いたことのない現代では演奏されることのほぼない作品集の中に含まれています。
それゆえ、よほどのマニアか、研究者でなければヘンレ版かペータース版が良いです。
また全音版は?というと、珍しく出版されていない作品です。
巡礼の年
全音版での出版はなく、検討できるのはヘンレ版とブダペスト版の2種類。
2009年ごろからヘンレ版でも出版されるようになってきて、2017年にさらにすべて出版されるようになりました。
巡礼の年も「安ければブダペスト版。高ければブダペスト版」で選んで間違いないはずです。
シューマン=リスト献呈
すみません、こちらも有名作品なのですが、シューマンの楽譜を解説したページの方で解説をしました。
リストの無料楽譜は使える?→結論「使えるものもある」
国際楽譜ライブラリーの中で「無料」で、楽譜を手に入れることができます。
とはいえデメリットもあって、それは「見にくいこと、印刷が手間、楽譜の信頼性が怪しい」ということ。
下記のような場合は、国際楽譜ライブラリーの「リストの作品ページ」から拾ってみてください!
- 有名ではない作品を演奏してみたい
- ブダペスト版が高い、その他の版も手に入らない
特にハンガリー狂詩曲の「有名ではない」作品などは、無料を楽譜を検討してみる価値は高いと思います!
まとめ:リストのオススメピアノ楽譜!
それではサクッとまとめて終わります。
- 基本的にオススメは「ブダペスト版」または「全音版」
- ブダペスト版は値段が高いことが多い
- 全音版、出版年数が新しければ素晴らしい楽譜(20年以内が目安)
おまけ:ブダペスト版の魅力(上記の写真は初めて購入したブダペスト版)
全音版は素晴らしい楽譜です。しかしブダペスト版にも特有の魅力があって、「東ヨーロッパ特有の…」というか、普段、日本ではほとんど見かけないような紙の感じや、印刷の感じが魅力的です。
それがリストを演奏する時のアイディア的なヒントにもなるな〜と。
なぜか子供の時からブダペスト版を見ると、不思議なドキドキ感がありました。笑
ホントになぜか魅力のある楽譜なのです。
それでは終わります。最後までありがとうございました!
Amazon、楽天市場でわりと楽譜の値段が変わるので、比較してからの購入がオススメです。
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