楽譜の選び方

名著【ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?】を読んだ感想

ショパンの楽譜

こんにちは。

先日、ショパンの楽譜選び本として定評のある「ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」を読みました。

ショパンの楽譜って出版社(エディション)によってかなり音が違ったりするのは、ご存知の方も多いはず。

僕自身、子供の頃からずっとパデレフスキ版を使ってきたし、音楽学生の時も「パデレフスキ以外は使えないよね…」

みたいな空気が漂ってました。

今まで思考停止でパデレフスキ版を使っていたので、この本を読み少し反省です…。

良い本なので、詳しくレビュー解説してみます!

 

名著「ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」を読んだ感想

英雄ポロネーズ

英雄ポロネーズの自筆譜

 

著者「岡部玲子」さん

岡部さんのプロフィールを引用すると

お茶の水女子大学ピアノ専攻卒、同大学院修士課程ピアノ専攻および博士課程修了、ショパンのエディション研究にて博士号取得、博士(学術)。ピアノを故遠藤秀一郎、山田富士子、室内楽を瀬戸瑤子、音楽学を故大宮眞琴、徳丸吉彦の各氏に師事。茨城県芸術祭特賞。コンセール・アミ奨励賞。リサイタル、協奏曲、室内楽等の演奏活動の他、著書『ショパンの楽譜、どの版を選べばいいの?』等、ショパンに関する執筆多数。
元お茶の水女子大学講師、現在常磐大学人間科学部教授。

この著書「ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」は、2015年に出版されたもので、2022年現在でも信頼性が高いと定評があり、売れ続けています。

 

素晴らしいのは「読みやすさと分かりやすさ」

この手の本って「内容は素晴らしいけど、とにかく難しい…」という本が多い。

けどこの「ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」は、とにかく読みやすい!

文字は大きく、参考例もたくさんあります。

なので「内容は素晴らしくて、読みやすくスッと内容が入ってくる」とこんな感じ。

 

ショパンの伝記では学べないショパンの心がわかった

クラシック音楽の場合、作曲家を心を理解しつつ演奏するのが大切だと言われています。

なので各作曲家の伝記を1冊くらいは、読んでおくのが重要。

この「ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」の魅力は、伝記では学べない、ショパンの心を理解するのに、すごく役に立つところだと思います。

 

ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」で衝撃的だったところ

ショパン

ショパンはレッスン中に楽譜を書き換えていた

ショパンの楽譜って出版社によって、かなり音が違うことが多いです。

その理由の1つとして、ショパンはレッスンの時に音符を書き換えたりもしています。

(具体的には、ヴァリアントと言って、変化を書いている)

 

ショパンは自由な心の持ち主

ショパンは「絶対にこう演奏してくれないとイヤだ!」というタイプではなかったそうです。

 

ショパンは弾くたびに表現が異なっていた

ショパンのお気に入りの弟子として有名なグートマンの証言が残っていて「ショパンの演奏を聴くと、いつも違った表現で演奏をしていた」そうです。

ポーランドの先生が「ショパンは繰り返しでは、ちょっと変化を付けて」とお話しされているけど、このあたりのことを参考にしているのかと思われます。

 

エキエル版でのコメント

ショパンの大研究家であるエキエル先生は、

「弾く人のセンスでいくつかヴァリアント(変化)を入れるのが洒落ているだろう」

と語っているそうです。

このエキエル先生は、100歳で亡くなるまで、なんと50年の研究でエキエル版を作成した方。

ショパンコンクールで2位に入賞した反田さんの先生であるパレチニ先生に、ピアノを教えた方でもあります。

 

エキエルはポリーニの演奏もヒントに楽譜を作った!

これはポリーニの演奏したショパンの練習曲(エチュード)。

伝説的な録音で、ピアノを好きな方で、聴いたことのない人はゼロに等しい名盤です。

これはかなり衝撃的だったのだけど、エキエルさんは、エキエル版の執筆にあたり

「ポリーニのCDも参考にした」と上記のCDを挙げています。

まったく知らない情報でした。

» エキエルが参考にした名盤   ポリーニ ショパン練習曲集(Amazon)

 

ショパンの豆知識も書かれてました

ショパン

「別れの曲」は日本だけ

これは有名な話で、ショパンの有名な曲「別れの曲」があるけど、世界中でこのように呼んでいるのは日本だけです。

 

VivaceからLentoへ「ショパンの心の変化」

さらに別れの曲は、もともとテンポの速いVivaceとして作曲されています。

その後、現在のようにテンポの遅いLentoに変更。

ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」の中では、ショパンの直筆を頼りに、その心の変化までが解説されてありました。

 

ウェッセル社が勝手に表題をつけた

ウェッセル社というのは、ショパン楽譜を初めて出版した会社。

有名なところだと「革命、黒鍵、エオリアンハープ、英雄ポロネーズ、子犬のワルツ」あたりは有名ですね。

これらは、ショパンが付けたわけではなく、ウェッセル社が「たくさん楽譜を売りたい」という理由で付けています。笑

さらに面白いのは、バラード第1番は「お気に入り」、バラード第2番は「優美」なんて名前も付けたそうだけど、この名前には人気がなかったようで全く知られてませんね。

僕もまったく知りませんでした。(この本ではじめて知った)

「優美」はまだわかる‥、けどバラード1番の「お気に入り」はセンスなさ過ぎじゃないか?という感じです…笑

 

もし現代までショパンが生きていたら…(勝手に書いてます笑)

ショパンは、作曲してからかなりの変更をしています。

つまりもし、現代まで生きていたら、間違いなく音符に変更を付け加えまくっていると思うんですよね。

逆にベートーヴェンは、ほとんど変更を加えないと思います…。

さらにショパンは、即興的に音符を変更するのが大好き。

2021年のショパンコンクールでは、「自由な演奏が評価された」と言われています。

それゆえ中には「自由すぎて楽譜に忠実じゃない…」という意見の方もいらっしゃいました。

けど、もしショパンが審査員としていたら「かなり自由な演奏を高評価したんじゃないかな〜」

と、この本を読みつつ思った感じです!

 

まとめ:「ショパンの楽譜、どの版を選べば良いの?」はこんな方にオススメ

とにかく素晴らしい著書でした。

「ショパンを演奏する方の必読書みたいだな」という印象でした。

最後に「こんな方におすすめかな?」というのをまとめておきます。

  • パデレフスキ版とエキエル版、どっちを購入しようか迷っている
  • 音楽高校、音楽大学に通っている、通う予定
  • ショパンコンクールを受ける予定

こんな方は、すごく役に立つと思います。

この本は中立な立場で、結論は書かれてなかったけど、僕は2040年くらいまでにエキエル版を使う人ばかりになると予想してます。

逆にパデレフスキ版は過去の楽譜になってしまうんじゃないですかね。

ショパンコンクールでもエキエル版を推奨しているし、この流れは止まれらないはず。

詳しく知りたい方は、読んで損のない1冊だと思います!

それでは終わりです!

 

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