こんにちは。
ラヴェルの名作「水の戯れ」に関する有益な情報をマルっと詰め込みました。
本記事の内容
- 水の戯れの難易度
- 水の戯れをサクッと解説
- おすすめの楽譜
- おすすめの名演奏
この4つが中心です。
こういった方のお役に立てる内容になっています。
ラヴェル「水の戯れ」の難易度
全音のピースでは最高の難易度である「F」となっています。
かなり難しい曲であることは、確かですね。
有名ピアノ作品と難易度の比較
ザックリと主観で、まとめました。
- リスト愛の夢 < 水の戯れ
- ショパンノクターン < 水の戯れ
- ラ・カンパネラ = 水の戯れ
- 英雄ポロネーズ = 水の戯れ
- リスト超絶技巧練習曲 > 水の戯れ
- バラキレフ イスラメイ > 水の戯れ
大きくは、外れていないと思います。
ラヴェルのほか作品と難易度を比較
結論、たいていのラヴェル作品よりも難易度が高いと思います。
逆に、「水の戯れ」よりも難しいラヴェル作品は、
- 夜のガスパール
- クープランの墓「トッカータ」
- ラ・ヴァルス
- ピアノ協奏曲
このあたり。
ちなみに後ほどご紹介するペルルミュテール版には、「水の戯れは中〜上級」としていて、「夜のガスパールは難易度が高い」と書かれてあります。
何歳で演奏できる?
小学生で、演奏しているのは、見たことがないです。
中学生では、「すごく才能のある子」だけ弾ける感じかな?
多くは、音楽高校とかに入ってから演奏する方が多いですね。
コンクールで演奏できる難易度?
難易度の高さから「コンクールでも良い評価を受けることが多い」印象です。
具体的には、
- チョソンジンさん:浜松国際ピアノコンクール第1位
- 角野隼人さん:ピティナ・ピアノコンペティション第1位
このお2人は、「水の戯れ」をコンクールで演奏して、良い結果を残しています。
この他にも、日本音楽コンクールの予選で、演奏して通過している方もたくさんいらっしゃいますね。
ラヴェル「水の戯れ」をサクッと解説
「水の戯れ」の重要なポイントだけまとめました。
- 1901年にラヴェルが作曲(ラヴェル26歳)
- 理解者であり、師であるフォーレに献呈
- リカルド・ビニェスによって初演
- 作曲コンクールで落選したものの、聴衆からの支持を得る
- 印象主義の幕開け的な作品
すごく有益なYouTube動画を見つけました。
この中でも「水の戯れ」についてのお話があります。素晴らしい動画!
「水の戯れ」の神楽譜【ペルルミュテール版】
ピアノの校訂版として有名なものといえば、
と、このあたりが有名な楽譜。
これらと比べても、「楽譜の素晴らしさ」という点で一つ頭が抜けているのが、このペルルミュテール版だと思っています。
ヴラード・ペルルミュテールとは?
ザックリとまとめてみます。
- コルトーとモシュコフスキーに師事
- ラヴェルの目の前で、すべてのピアノ曲を演奏
- ラヴェル本人から譜面上のことをすべて教えられる
- 横山幸雄さん、遠藤郁子さんなどを指導
- ラヴェルの著作権が切れた時、ペルルミュテールの演奏を参考に楽譜が作られる
楽譜に記載されているペルルミュテールのアドヴァイスが神がかっている…
著作権の関係で少しだけ。【引用元:音楽之友社】
ペルルミュテールのアドヴァイス(ペダルまで)ぎっしりと詰まった楽譜です。
これを参考に、練習してみると「あ、ラヴェルはこういう曲を目指していたんだ…」とことがわかるレベルです。
イメージとしては、ペルルミュテールに3時間ほどレッスンしていただいた感じ。
かなり有益な楽譜です。
そのほかのラヴェルの楽譜は下記をどうぞ。
-
ラヴェルのピアノ曲「楽譜はどれを使うのがベスト??」
続きを見る
水の戯れの聴くべき名演奏
マルタ・アルゲリッチ
文句なしの、1番の名演はコレだと思ってます。
ラヴェルは、かなりキッチリとした演奏を好んだようだけど、このアルゲリッチの演奏は、良い意味で自由。
アルゲリッチが絶好調だったのでは?と思えるような演奏で、魔法にかかったような魅力を持った名演です。
ワルター・ギーゼキング
現代では、ここまでテンポが速い演奏は珍しいけど、誠実にしてセンス抜群な演奏。
アルゲリッチは「ギーゼキングの演奏を参考にしている」と思うのだけど、どうですか?
どこか似た印象を受けます。
ロベール・カサドシュ
カサドシュは、なんとラヴェルと協力して、作品を録音したりしています。
かなりテンポが速く感じられるけど、ラヴェルが理想とした「水の戯れ」の1つだと思います。
サンソン・フランソワ
フランソワの演奏する「水の戯れ」は、非常に個性的。
ラヴェルの音楽か、フランソワの音楽か?と、うまくミックスしたような演奏で、惹きつけられる演奏です。
エレーヌ・グリモー
エレーヌ・グリモーは、インタビューで「フランス作品にはあまり心を惹かれない…」と語っているけど、水の戯れは名演を残しています。
現代的な演奏だけど、コンクールの優勝者とも、大学の優等生という感じでもなく、鋭い感性を感じさせられるような演奏。
この中では、1番リスト作品に近いような解釈で、「水」よりも「噴水」のように感じます。
「ウォーター」という水を題材にしたCDの中に収録されています。
そのほか
YouTube内で検索したら見つかるかも…です。
モニク・アース、セシル・ウーセ、パスカル・ロジェ、ジャック・ルヴィエ、ジャン=フィリップ・コラール、ジャン=イヴ・ティボーデ、セシル・ウーセ、アリス・アデール、アレクサンドル・タロー、ロジェ・ミュラロ、ミケランジェロ・カルボナーラ、スティーブン・オズボーン、フローリアン・ウーリヒ
このあたりの方は、「水の戯れ」の演奏で、評判の良いものです。
名作ゆえ、名演も多いです。
余談:YouTubeで見つからなかった時の裏技
例えば「セシル・ウーセ」で見つからなかった場合、
- Googleで「セシル・ウーセ 原語」と検索
- セシル・ウーセの原語は「Cécile Ousset」
- YouTubeで「Cécile Ousset Jeux d'eau」と検索
「Jeux d'eau」は、水の戯れの原語です。
これで、ほぼすべて聴けるはず。ちなみに「セシル・ウーセ」の動画はこちら。
さらに音声良く聴く場合は、Amazon Music Unlimited(無料体験あり)で間違いなく聴けます。
まとめ:ラヴェル「水の戯れ」の難易度【解説&おすすめ楽譜】
サラリとまとめて終わります。
- 難易度→かなり難しい
- コンクールでも評価されやすい
- ラヴェル26歳の時の作品
- ペルルミュテール版が素晴らしい
- アルゲリッチ、フランソワ、グリモーなど多数の名演あり
ぜひ名作を取り組んでみてください!