こんにちは。
日本人としてトップの実力を誇る内田光子さんについてまとめました。
本記事では、その「すごさ」に焦点を当てています。
ちなみに2021年のショパンコンクールで反田恭平さんが51年ぶりに2位を受賞しました。
この51年前に受賞したのが、内田光子さん。これだけでもすごいですね。
そのほかのすごいところもサクッとまとめました。
内田光子さんのすごい経歴
まずは内田光子さんのすごい経歴を。
おそらく説明不要だと思いますので、サラサラとスクロールしてください…笑
- 1948年、静岡県熱海で生まれる
- 12歳でオーストリアのウィーンに移住(父が外交官のため)
- 翌年ウィーン音楽院に入学しリヒャルト・ハウザーに師事
- ミケランジェリ、ケンプ、ニキタマガロフなどにも師事
- ミュンヘン、ショパン、ベートーヴェン、リーズ、エリザベート王妃などの国際コンクールに入賞
- 1982年モーツアルトの全曲演奏家で大絶賛を浴びる
- 文化功労賞、グラミー賞など多数
サクッとまとめるとこんな感じです。
ちなみにミケランジェリは、ポリーニやアルゲリッチにもピアノを教えていますし、教えることでも超一級ですね…
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【ピアノ】ミケランジェリの名盤「ドビュッシー 、ショパン、ベートーヴェンなど…」
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ショパンコンクールで注目されたわけではない
ショパンのほかにもたくさんの国際コンクールを総なめしているけど、内田光子さんの場合、コンクールをきっかけに注目されたわけではないです。
ご本人もインタビューで「コンクールの後も仕事がなかった」とお話しされてたほど。
今みたいにインターネットが発達していたら、間違いなく大注目されてますね…。
凄すぎるモーツアルトで世界から大注目
内田光子さんは1982年のロンドンの有名なコンサートホール「ウィグモアホール」で、モーツアルトのピアノソナタの全曲演奏会を行なっています。
これがロンドンの批評家の中で大絶賛。(たしか火曜日にコンサートをしていて「ウチダの火曜日」と呼ばれていたはず)
さらに1984年にイギリス室内管弦楽団とモーツアルトのピアノ協奏曲の全曲演奏会が大成功。
このピアノソナタとピアノ協奏曲をCDにも録音し、これもすべて大成功。
内田光子さんは、「コンクール荒らし」と言えるほど、たくさんの受賞歴があるけど、現在も世界中で演奏活動をされているのは、このモーツアルトの演奏が素晴らしすぎたため。
この録音は、すべてAmazonの「Music Unlimited」(無料体験あり。解約も自由です)で聴くことが可能です。
内田光子さん【名盤あり:3つの特にすごいところ】
ここからは、主観で…
ボク自信、高校生の頃に近所の図書館で、先ほどのモーツアルトのCDを聴いて大ファンになりました。
実はこの時、図書館にあるほぼすべてのCDを聴いたのだけど、その時「とにかくすごい!」と思ったのは、
と方々に加えて、内田光子さん。
日本人では唯一「内田光子」さんという感じでした。
というわけで、内田光子さんの特にすごいと思うところを3つまとめてみました。
- 「内田光子さんの音」と言えるタッチ
- 人を惹きつける集中力の高さ
- 鋭いのにチャーミングなリズム感
順番にサクッとまとめてみます。
1. 内田光子さんのタッチ
1つの音を聴いただけで「あ、内田光子さんの音だ!」って気がつきます。
「ピン」と芯のある音で、外国生活の長い内田光子さんだけど、いかにも「背筋をピンと伸ばした日本人女性のような音」って思います。
外人の女性にも似た音を持った方がいるけど、リリー・クラウスはもっとチャーミングだし、クララ・ハスキルはもう少し鋭い…
マリア・ジョアン・ピリスは似ているけど、内田光子さんの方が研ぎ澄まされた印象を受けますね。
内田光子さんのタッチの素晴らしさを聴きたいなら、オススメはモーツアルトのピアノソナタの第10番K330!
個人的に世界で一番上手い演奏だと思ってます。(Amazon「Music Unlimited」で聴けます)
2. 惹きつけてやまない集中力の高さ
高校を卒業して、音大に入学する前に、内田光子さんのチケットが学生券1000円で手に入り聴きに行ったことがあります。
その時、演奏されていたのが、ベートーヴェンのピアノソナタ第30〜32番。
ベートーヴェンの最晩年の名曲ですね。
信じられないほど、内田光子さんが集中して演奏していて、一瞬で内田光子さんの世界に惹きこまれました。
ポリーニもそうだけど、本当にすごい方は「集中力」がとにかくすごいですね。
2時間のコンサートが本当に10分くらいに感じられるほど。
この引きずり込まれるような集中力を体感したいなら、ベートーヴェンのピアノソナタ第30~32番がオススメ。
ボクは2004年に聴いたけど、その後内田光子さんは、録音もされています。
Amazonのレビューを見ると「神がかった演奏」と書いている方がいるけど、本当に同意です。。
こちらはCD、Amazon「Music Unlimited」どちらでも聴けます。
3. 鋭いのにチャーミングなリズム感
内田光子さんの魅力は、鋭くてきびしそう、そして理屈っぽそうなのに、なぜかチャーミングで聴きやすいところにあると思います。
言い方を変えると「繊細なのに強靭」「力強いのに優しい」といった感じ。
これが上手い具合に混ぜ合わさって、内田光子さんの音楽の世界に引きずり込まれるのです…
これには、壮大な作品がぴったり。というわけでベートーヴェンのディアベッリ変奏曲がオススメです。
2021年の最新作でもあり、最高傑作でもあるように感じます。
こちらもCDとAmazon「Music Unlimited」で聴くことが可能。
まとめ:内田光子さんのすごい名言
最後に、実は内田光子さんはすごい「名言」をたくさん残している方でもあります。
音楽ファンの方はもちろん、ピアノを練習している方にも参考になると思いますので、まとめつつ終わりにします。
(参考:スタインウェイ&サンズ、雑誌「ショパン」、ニューヨークタイムズスタイルマガジン)
- コトバに文法があるように、音楽には音法というものがあるわけです。その音法をどう理解するかは、まず音楽をよく聴きこんで勉強して、その音法を自分の演奏でどう表現していくか、それが音楽家の存在理由にもかかわってくると思うのね……
- わたくし、音楽なんてものは、じつは学校で習ったこと以外のところで始まるものだ、と思ってます
- ブラボー!って最初の曲で叫ぶのは、外人かわたくしぐらい
- 音楽のためにピアノはあるんです。ピアノのために音楽があるんじゃない……
- 昨日、正しいと思ったことを決して繰り返してはなりません
- 「正しい」テンポなんてものはありません。どのテンポも、正しい場合もあるし、間違っている場合もあります
- モーツァルトはとても複雑です。偉大な作曲は皆そうです
- 私が13歳できちんと演奏できたのは誰だと思います?ドビュッシーです。そして15歳ではシェーンベルク
- 今ではピアノについて、特にスタンウェイについてより深く理解している自信があります
- 偉大な作曲家たちはいつも変化しています。私たちが日々変わっていくように、彼らも変わるのです。
- 「アレグロ」という用語は、当初は「速い」ではなく「楽しい」という意味でした。作曲家によっても見解が変わるし、演奏家によっても変わる…
さらにピアノを弾くなら、
- ベートーヴェンのピアノソナタ→ベートーヴェンの交響曲を聴く
- モーツアルトのピアノ曲→モーツアルトのオペラを聴く
- バッハのピアノ曲→マタイ受難曲、ヨハネ受難曲
と、こんな感じにピアノ以外の作品を聴くことが、すごく重要とお話しされてました。
ピアノ曲だけ聴いて音大を出てもダメだと…
ピアノの上達にもすごく役に立つと思いますので、ぜひ聴いてみてください!