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ショパン「雨だれのプレリュード」の難易度「大人の初心者の方にもオススメ」

ショパンの雨だれのプレリュード(正式名称→24の前奏曲集より第15番)を下記の感じにまとめました。

  • 雨だれのプレリュード挑戦してみたいけど弾けるかな?
  • 難易度はどれくらいだろう?
  • オススメ楽譜、オススメCDなど知りたい

こういった方の参考にしていただける記事になっています。

ちなみに全音のピアノピースでは、雨だれのプレリュードは「E」つまり「上級」になっています。

しかし、これはショパンのプレリュード(前奏曲集)が上級なわけで、雨だれが難しいという意味ではないのです。

結論、初級〜中級くらいのイメージで挑戦できると思います。

詳しくは記事をどうぞ。

 

ショパン「雨だれのプレリュード」の難易度は、初級〜中級

雨だれのプレリュード、基本的に弾きやすい3つの理由

  • テンポが遅い
  • 音符が少ないところが多い
  • 同じパッセージが多い

つまり、譜読みがしやすいということです。

しかし、ショパンコンクールなどでも、この雨だれのプレリュードをうまく演奏するのは、すごく難しいですね。

理由は、少ない音で、この作品を表現しなくてはならないため。

 

初級の本の中に出ている

こちらの楽譜「ピアノ名曲150選 初級編 <バイエル~ブルクミュラー程度>」の中でも「雨だれのプレリュード」は収録されています。

つまり演奏しやすいからですね。ちなみに初級レベルの曲をたくさん演奏したい方に、この本はオススメです。

実際にバイエル〜ソナチネの方には、ご紹介している本です。(実際には、やや難しめの曲も含むのでソナチネレベルでも使える)

 

余談:子供さんに「雨だれ」はオススメはしにくい

理由は、雨だれが作曲された背景に。サクッとまとめますね。

  • 体の弱いショパンの静養をかねて、気候に恵まれたスペインのマジョルカ島へ逃避行
  • 別荘を借りていたけど、ショパンが結核にかかっていたため、島の人から追い出される
  • カルトゥハ修道院の部屋を安く譲り受け、お気に入りのプレイエルのピアノを手に入れ、そこで第15番『雨だれ』を含む全24曲の前奏曲を完成させる
  • マジョルカ島にショパンが滞在していた頃は、雨の多い時期(これに影響を受けたと言われている)

つまり「具合が悪く、人から追い出され、ずっと振り続ける雨に影響された…」

とこの心境を考えると、子供さんにオススメしにくいな…とは思います。

ちなみに、現在バルデモサのカルトゥハ修道院に、当時の部屋がそのまま博物館として残っています!

 

雨だれと同じくらいのレベルの曲

大人の初心者の方に「雨だれ」はすごくオススメなのですが、子供さんにはオススメしにくいので、いちおう同じくらいのレベルのピアノ作品を挙げておきます!

  • ショパン:ノクターン第2番
  • シューマン:トロイメライ
  • ベートーヴェン:エリーゼのために

有名作品としては、このあたりかと。

さらに詳しく知りたい方は、雨だれも入っている「ピアノ名曲150選 初級編 <バイエル~ブルクミュラー程度>」が便利です。

 

雨だれのプレリュード【3つの名演奏→難易度を下げる】

 

「雨だれ」の難易度は変わらないものの、良い演奏を聴くことは、すごく上達の助けになるので、まとめておきました。

何度も聴いているうちに、「難易度が下がっている」感じが実感できるはず。

極上の3つの演奏なので、ぜひ聴いてみてください!

YouTube、もしくはAmazon「Music Unlimited」ですべて聴けます。

(YouTubeは、動画がリンク切れしてしまっている可能性もあります。)

 

マルタ・アルゲリッチ

こういった音の少ない作品でも、ショパンの心を最高に美しく表現されています。

「雨だれの前奏曲」をアルゲリッチ以上に上手い人がいないように感じるほど。

「孤独を感じる美しさ」といった感じ。

「とりあえず何か1枚」という時は、このアルゲリッチの演奏がオススメです。

 

グレゴリー・ソコロフ

ソコロフは、日本で知名度は低いものの、チャイコフスキーコンクールで優勝した名ピアニストです。

ライブにこだわる方で、録音は限りなく少ないものの、しかし残した録音は、どれも素晴らしいものばかり。

そんなソコロフが、この「雨だれのプレリュード」を録音しています。

テクニックよりも、表現に命をかけたような演奏で、「雨だれ」のような曲にはソコロフがピッタリかと。

心に染み入るような演奏です。

※ Amazonで聴く場合「Music Unlimited」の登録が必要です。(初月無料)

 

アルフレッド・コルトー

コルトーは、20世紀、最大のショパン弾きと言われているけど、たしかに絶対に聴いておいた方が良い演奏。

現代のショパンコンクールでこんな風に演奏したら、落ちてしまうかも…というほど独特なスタイルだけど、これこそ「本当の音楽」と思えるような演奏です。

コルトーの指導は、「詩を語っているようだった」という話があるけど、この雨だれの演奏も、まさに詩を語っているような演奏に感じます。

※ Amazonで聴く場合「Music Unlimited」の登録が必要です。(初月無料)

 

雨だれのプレリュードの楽譜の選び方

 

サクッとまとめると、

  1. ちょっと練習したい→雨だれのピース
  2. 初心者用の曲集を探している→ピアノ名曲150選 初級編 <バイエル~ブルクミュラー程度>
  3. 伝統的で本格的な楽譜を使いたい→パデレフスキ版(プレリュード集)
  4. 伝統的で本格的、そして最新の研究の楽譜を使いたい→エキエル版(前奏曲集)

ショパンの楽譜は、少しややこしいので、詳しくは下記にまとめてあります。

【比較】ショパンのおすすめ楽譜「選び方の解説あり」

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それでは終わりです。

すごい名曲で、名演もそろってますので、ぜひいろいろ聴きつつ、挑戦してみてください!

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