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【選び方】インベンションとシンフォニアのおすすめの楽譜

 

バッハのインベンションとシンフォニアっていろいろな楽譜があるよね。いっぱいありすぎて迷ってしまうよ‥

 

こういった方のお役に立てる記事になっています。

 

本記事の信頼性

  • ご紹介している楽譜は全て自分で使用した経験のあるものです
  • 実際に習いに来ていただいている方におすすめしている楽譜です
  • この記事の作成のため、2024年現在、手に入るの楽譜、ほぼ全ての教材に目を通しました
  • バッハのインベンションとは20年以上のお付き合いです笑

結論を先に言ってしまうと、原典版「ヘンレ版」小鍛治邦隆先生中井 正子先生の作られた教材この2つを併用することが最適だと思っています。

とはいえ他にもおすすめの楽譜はありますので、具体的におすすめ理由を含めて解説していきます。

 

【選び方】インベンションとシンフォニアでおすすめの楽譜

インベンションとシンフォニア「原典版vs校訂版」

  • 原典版→バッハが書いた、そのままの楽譜
  • 校訂版→後世の人が解釈を加えた楽譜

バッハの楽譜の場合、基本的に原典版を使う人が多いですね。

その理由は、「バッハの解釈はたくさんあること」「時代によって解釈が変わりやすいこと」

バッハは、そもそもとして「p」や「f」などの強弱記号は書いていないです。(その時代はチェンバロで強弱がつかない楽器だったので)

それなのに強弱の書いてある楽譜を使うのはおかしい…。みたいなのがここ30年くらいの流れですね。

インベンションやシンフォニアの素晴らしい動画は下記にまとめています。

比べてみると、解釈の違いがわかるかと思います。

バッハ【インベンション】おすすめのCDと動画

続きを見る

 

【インベンションとシンフォニア】3つの原典版(楽譜)を比較

 

主に世界中で使われいるのは以下の3つだけ。

とこの3つです。

これは30年前から変わっていないですね。

実際にAmazonで「インベンション 楽譜」と検索しても、原典版はこの3つ。

それぞれの特徴をまとめてみたいと思います。

 

ヘンレ版【インベンションとシンフォニア】

このヘンレ版が世界でも一番使われていて、ポピュラーな楽譜。(ヘンレ社の公式サイト。楽譜の購入はできません)

子供さんがインベンションをはじめる時に最もたくさん使われている楽譜ですし、僕自身、子供の頃に使っていました。

この楽譜の良いところは、なんと言ってもその使いやすさと見やすさと信頼性。

高級感があって見た目が美しいことも、人気の理由だと思っています。

やはりバッハはドイツの作曲家ゆえ、ドイツの出版社の楽譜を使いたいもの。

楽譜の素晴らしさから「モチベーションが上がる」という意味でもオススメです。

なぜかヘンレ版を使うと、ピアノが上手くなったような気がする…というのも魅力。

ヘンレ版(インベンションとシンフォニア)の特徴

  • 信頼性:
  • 使いやすさ :
  • 美しさ:
  • 運指の使いやすさ(指使い):
  • 価格:

 

 

ベーレンライター版【インベンションとシンフォニア】

このベーレンライター版は最近どんどんその評価が上がってきている印象です。(ベーレンライター社。ドイツ語と英語のみ)

シンプルで見やすさもあって魅力があります。

また少し専門的な話だと、ヘンレ版とはトリルの位置が異なっていて、「ヘンレ版のこのトリルなんとなく良くないような‥」

なんていう時に役に立ったりもします。

運指がないため、初心者の方は不向きかと思います。「指使いがない方がいい」という方にはおすすめです。

ベーレンライター版(インベンションとシンフォニア)の特徴

  • 信頼度:
  • 使いやすさ:
  • 美しさ:
  • 運指の使いやすさ:なし
  • 価格:

 

ウィーン原典版【インベンションとシンフォニア】

このウィーン原典版も歴史があってたくさんの人に使われている楽譜です。

ヘンレ版よりウィーン原典版の方が、信頼できるという方も一定数いらっしゃる印象です。(研究が新しいなど)

ウィーン原典版というのは、1901年にウィーンで創業した信頼性の高い出版社。(ウニヴェルザール出版社が発行)

詳しくはwikipediaがわかりやすいです。

このウィーン原典版の欠点って楽譜がひらきにくくて使いにくいということと、運指(指使い)が使いにくいかなって思うことがあります。

とはいえ原典版ゆえに上記の2つと大差はないです。

それから2024年現在、このウィーン原典版は原典版の中でかなり価格が低い。

ウィーン原典版も、もちろん素晴らしい楽譜でモーツアルトの楽譜では特に評価も高いです。

もし「コスパよくインベンションとシンフォニアの楽譜が欲しい」という場合は、ウィーン原典版の一択です。

3つの原典版、どれも素晴らしい楽譜であることは間違い無いです。

ウィーン原典版(インベンションとシンフォニア)の特徴

  • 信頼度:
  • 使いやすさ:
  • 美しさ:
  • 運指の使いやすさ:
  • 価格:

 

インベンションとシンフォニアの校訂版(楽譜)は?

 

では3つの有名な校訂版について解説してみます。

以下の3つです。

  • 全音楽出版(市田版)
  • 園田高弘版
  • ブゾーニ版

ブゾーニ版だけはかなりクセが強いので、現代では使うことはできないけど、「研究に使われる」という印象の楽譜です。

全音版と園田版はどちらも素晴らしい楽譜。では具体的に。

 

全音楽出版(市田版)

この楽譜は日本で特に人気のある楽譜です。

校訂版の中では、圧倒的な人気を誇ります。

内容としても、楽譜自体は限りなく原典版に近いので、この楽譜を原典版の代わりに使うことも可能です。

それからなんといってもこの楽譜のいいところは、日本のバッハの権威である市田義一郎さんの解説があるということ。

とはいえ素晴らしいものの、初心者の方がこの解説を役に立たせることができるかというと、かなり難しいです。

スミマセン、とにかく難解です。

かなりインベンションに精通した人が「あ〜こういう解釈もあるんだな〜」って思う感じで役に立つかと思います。

さらに、個人的にはヘンレ版の方が「テンションの上がるルックス…」と思っています。。

全音版(インベンションとシンフォニア)の特徴

  • 信頼度:
  • 使いやすさ:
  • 美しさ:
  • 運指の使いやすさ:
  • 価格:

 

園田高弘版

これは、日本の大ピアニストであった園田高弘さんが校訂された楽譜です。

研究者ではなく演奏家が校訂しただけあって、かなり実践的で使いやすい楽譜になっています。

フレージング、テンポの設定、曲の順番など、とにかくかゆいところに手の届いた素晴らしい楽譜です。

実は、僕自身この楽譜はかなりお気に入りです。

また楽譜の美しさや、見やすさ、運指の使いやすさがあります。

欠点としては、最初の一冊として適切じゃないな、ということです。

「インベンションとシンフォニアをどうやったらもっとうまく演奏できるだろう?」

と、考えている方やコンクールでいい成績をとりたい方に特におすすめできる一冊です。

今、園田高弘さんのインベンションの演奏はユーチューブで聴くことも可能です。

気になる方はこちらの記事を参考にしてください。

もし気に入ったらこの園田高弘版を検討してみるのも良いかと思います。

園田高弘版(インベンションとシンフォニア)の特徴

  • 信頼度:
  • 使いやすさ:
  • 美しさ:
  • 運指の使いやすさ:
  • 価格:

 

ブゾーニ版

この楽譜は元祖校訂版という感じで、100年以上も世界中で使われています。

バッハの演奏の解釈に使えるかというと、ものすごく使えます。

とはいえこの楽譜を1冊目に選ぶのは、全くおすすめできないです。

トリルの記号も全て、音符になおしてあって親切なのですが、原典版ととにかく全く違う楽譜になっているためです。

ただ、バッハの演奏のアイディアがあまりあるほどに散りばめられています。

さすがは大音楽家、ブゾーニの作った楽譜です。

なので、原典版とこのブゾーニ版を併用するのであればとにかく素晴らしい楽譜です。(専門的な知識はかなり必要)

 

「かなりおすすめ!」インベンション・シンフォニアの教材

これは、冒頭でお伝えした、小鍛治邦隆先生中井 正子先生の作られた教材です。

これは、研究者と演奏家が共同で作られているだけあって、とにかくバランスよく必要な情報が全て詰め込まれています。

おそらく全ての校訂版も研究されているのだと思います。

演奏の表現方法は、ブゾーニ版に近いです。

また分析についても、市田版よりわかりやすく実践で使いやすい内容になっています。

具体的には専門的になってしまうけど、主題の場所とアーティキュレーションがわかりやすいのです。

それゆえ、原典版とこの本の併用は最強のコンビといえる思います。

欠点としては、これはあくまで分析と演奏の手引きなので、

これ一冊だけで練習しようとすると、あまりに詳しく楽譜に書かれてあるから見にくいということです。

コンクールでうまく演奏したり、教えたりする時には必読書と言えそうです。

 

 

まとめ:インベンションとシンフォニアでおすすめの楽譜は?

 

最後に「とはいえ、インベンションとシンフォニアの楽譜、何を買おう…」と迷った時の指針をまとめてみました。

  • 何買っていいかわからない→ヘンレ版
  • コスパの良い楽譜が良い→ウィーン原典版
  • 2冊目に迷っている→演奏の手引き(最後にご紹介した教材)
  • 近くの書店で手に入れたい→全音版
  • 園田高弘さんの演奏のファン→園田版
  • 歴史ある校訂版が欲しい→ブゾーニ版
  • インベンションとシンフォニアを練習するモチベを上げたい→ヘンレ版

こんな感じで選んで「失敗だった…」はまず無いはず。

少しでも参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます!

 

バッハのインベンションの練習する順番などは、下記で解説しています。

バッハ【インベンション 】練習する順番は?「難易度の解説あり」

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