こんにちは。
2022年、天才で鬼才のイーヴォ・ポゴレリチが24年ぶりに、ショパンの作品の録音を行いました。
というわけで、魅力をレビューしてみたいと思います。
- 記事前半→ポゴレリチについてサクッと
- 後半→最新の録音&名盤について
こんな構成になっています!
天才「イーヴォ・ポゴレリチ」について
ポゴレリチについて、サクッとわかるようにまとめました。
- 1958年、ユーゴスラビア生まれ
- 22歳のとき、師事していた43歳のアリザ・ケゼラーゼと結婚
- 作曲家への解釈が独特ゆえ、教師とケンカ多数
- 3回、退学になりそうになる…笑
- アレッサンドロ・カサグランデ国際コンクール第1位
- ショパンコンクールで有名に(後ほど詳しく…)
- アリザケゼラーゼが亡くなる→コンサート活動が減る
- 活動再開→現在、ピアノの巨匠として活動
ショパンコンクール「ポゴレリチ事件」
あまりにも有名だけど、こちらもサクッとわかりやすく!
- ショパンコンクールで奇抜な演奏をする(←原因はコレではないと言われている)
- 予選で落ちる
- 同じく天才アルゲリッチが怒って審査員をやめる
- パウル・バドゥラ・スコダは、アルゲリッチに同意
- コンクール中にポゴレリチと、審査委員長が記者会見
- 原因は「審査員の政治的なこと」とポゴレリチは語る
- ポゴレリチに審査員特別賞が授与
ポゴレリチも「政治的なこと」と語っているとおり、「奇抜な演奏」が原因で落ちたのではなく「政治」で落ちたことにアルゲリッチが激怒したことが原因だと思いますね。
とにかく、1位を取ったダンタイソンよりもずっと有名になったことは確かです。
ポゴレリチは本当に奇抜?【日本でレッスン】
実は、ポゴレリチは日本で20年ほど前に公開レッスンをしたことがあります。
このとき、実際にレッスンを受けた大学の先輩と、雑誌の特集を見たことをまとめると、
「ポゴレリチは、とにかく基本に忠実」ということ。
ポゴレリチのレッスンは、さぞ「奇抜」なのだろう、と思われていたけど、これには多くのかたが驚いたようです。
ポゴレリチのショパン【名盤あり】
最新のポゴレリチのショパン
ポゴレリチの5枚目のショパンのCDになります。収録曲は、以下のとおり。
- ノクターン第13番 作品48-1
- ノクターン第18番 作品62-2
- 幻想曲
- ソナタ第3番
演奏の特徴をまとめると
- ペダルは少なめ
- テンポは遅い
- すべての音を吟味している感じ
「奇抜な演奏?」と聞かれたら、確かに他の人の演奏とは全く違うという意味では「奇抜」ですね。
こんな感じの演奏で、日本の音大の入試で演奏したら、落ちてしまう可能性もあると思うし、コンクールでも落ちてしまうこともあると思います。
さらにレッスンを受けたら「テンポがおかしいよ」と100%言われるはず。
しかし、タッチの素晴らしさという点で、コンクールや入試前に聴いてみるのも良いですね。
ポゴレリチがすごい→本当は「奇抜」ではない
ポゴレリチの思考回路を想像しました!
- 基本に忠実に
- 作曲家の心の中を想像する
- 実際に演奏する
ポゴレリチのすごいところは、「2」の作曲家の心を想像する力が、ズバ抜けているところかと。
ポゴレリチの演奏を聴いて思うことは、「本当にショパンが伝えたかったことはこういうことだよな」ということ。
音楽の「本質」の「本質」をついている名演だと思います。
アルゲリッチなどの大天才から評価を受けているところを考えてみても、「奇抜」ではなく歴史に残る「名演」ですね。
Amazon Music Unlimitedでも聴ける
もちろんCDで聴くことも可能だけど、Amazonの「Music Unlimited」で聴くことも可能です。
すごいのは、「ULTRA HD」で聴くことが可能で、これはCDと同じクオリティと言われています。
1ヶ月、無料体験もできますので、正直こちらの方がオススメの聴き方です。
» Amazon「Music Unlimited」の無料体験をしてみる
ポゴレリチの聴くべきショパンの名盤
ポゴレリチは、今回の録音の他にショパンでは4枚のCDを残しています。
具体的には、
- ソナタ第2番ほか
- 前奏曲ほか
- 4つのスケルツォ
- ピアノ協奏曲第2番、ポロネーズ第5番
すべて素晴らしいけど、一つオススメを聴かれたら「ポロネーズ第5番」が素晴らしいと思ってます。
高校時代、図書館で発見して「この世にこんなにピアノが上手い人がいるんだな‥」と感動したのを覚えています。
4つのCDもすべてAmazon「Music Unlimited」で聴くことも可能です。
まとめ:ポゴレリチの名盤【ショパン】
たまに、「日本ではポゴレリチのような大天才は生まれにくい…」と言われるけど、いや3回も退学になりそうになっていることからすると、「世界でもポゴレリチのような大天才は生まれにくい…」
が正解だと思います。
ポゴレリチの名言を引用すると「私は作曲家の召使だとみています」。
つまり、ポゴレリチはまったく奇抜な演奏をしようと思ってない…
逆に、作曲家の意図に忠実に演奏しようとしている…
ただ、普通の人よりちょっと感覚が優れすぎているのだと思います。
ゆっくりとした演奏なのに、まったく飽きることない名演奏なのでぜひ聴いてみてください!
-
Amazon「Music Unlimited」クラシック音楽を聴いた感想
続きを見る