こんにちは。
今回は、ショパンの「バラード第3番 変イ長調 Op.47」を「ピアノ上達に役立つ」をコンセプトにまとめてみました。
構成はこのとおり。
- 作曲:1841年。ショパンが31歳の頃の作品
- 拍子:6/8拍子。3つの8分音符をひとまとまりにした、大きな2拍子
- 演奏時間:演奏によって変わるけど、およそ7〜8分
- 難易度:上級。ヘンレの9段階評価では「8」
ショパン「バラード第3番」の背景や題名の意味を

歴史も専門的にピアノを勉強するなら重要!ということで。
- 1841年に作曲された、ショパンの4つのバラードの第3曲
- ジョルジュ・サンドの邸宅があったフランスのノアンで過ごした時期に完成した作品
- ポーリーヌ・ド・ノアイユに献呈されている
- フランスでは1841年に初版が出版され、ドイツとイギリスでは1842年に出版された
同じ頃には「幻想曲 Op.49」や「ノクターン Op.48」も生まれています。短い作品の中にも、ひとつの大きな世界を感じさせる時期ですね。
ピアノを上達させる…という意味では、この2曲も同時に聴いてみるのが良いと思います。
参考:ショパン協会の作品目録、ヘンレ版「バラード第3番」序文
「バラード」は、ゆっくりした曲という意味?
ポップスでは、ゆったりした歌を「バラード」と呼ぶことが多いですね。
けれど、ショパンのバラードを考える時は、物語を語る詩や歌とのつながりが大切。日本語では「譚詩曲(たんしきょく)」とも呼ばれます。
ショパンは、この題名をピアノ独奏の分野に持ち込みました。
歌詞がなくても、語りかけたり、場面が変わったり、緊張が高まったりする。そんな音楽として聴いてみると、ぐっと面白くなると思います。
「水の精」の物語がもとになっている?
ヘンレ出版社の作品解説を参考にまとめると…。
第3番は、ポーランドの詩人ミツキェヴィチの「シフィテジャンカ」など、水の精が登場する詩と結びつけて紹介されることがあります。
ただ「この曲は、この物語をそのまま音楽にした」と断定できるわけではありません。
シューマンは、ショパンのバラードがミツキェヴィチの詩から刺激を受けたと伝えています。
一方で、どの詩のどの場面に音楽が対応するのかを、ショパン自身が示した確かな説明は残っていません。
個人的には、シューマンが伝えた話が正解のように感じます。
曲の構成と聴きどころをサクッと
- 冒頭:穏やかな旋律から始まり、声部どうしが会話するように音楽が進む
- 第52小節あたりから:同じ音をオクターブの違う高さで行き来する、揺れるような音型が登場する
- 中ほど:軽やかな動きや豊かな歌が続き、旋律の表情が少しずつ変わっていく
- 第157小節付近から:嬰ハ短調の緊張した場面へ。左手の細かな動きと右手の旋律が重なる
- 終盤:冒頭の主題が力強い姿で戻り、変イ長調の華やかな結末へ向かう
第3番は、ショパンの4つのバラードの中で、唯一、長調で終わる作品です。
ただ明るい音楽が続くのではなく、途中の揺れや緊張があるからこそ、最後の明るさが生きる。そこも魅力ですね。
参考譜:ショパン研究所のデジタル初版楽譜「バラード Op.47」。小節番号は、冒頭を第1小節として数えています。
同年代の有名なピアノ作品は?
同じ頃の作品を聴くことも、音楽の理解を深める助けになると思っています。
専門的にピアノを勉強するなら必須でもありますね。
- ショパン「ピアノ・ソナタ第2番 Op.35」:1839年に全曲がまとまった作品。「葬送行進曲」を含むソナタ
- ショパン「ノクターン Op.48」:1841年の作品。第1番では、歌が大きな高まりへ変わっていくところにも注目
- ショパン「幻想曲 Op.49」:1841年の作品。さまざまな場面を、ひとつの大きな流れにつなぐ音楽
特に「ノクターン Op.48-1」は、穏やかな歌と厚みのある響きを聴き比べるのに面白い曲。ただし、練習の準備曲として気軽に弾ける、という意味ではありません。こちらも難曲です。
同年代のピアノ以外の作品は?
歌曲やオーケストラでは、このあたり。
バラードを弾くくらいのレベルだと、同じ時代のピアノ以外の作品を聴いて勉強することも、必須だと思っています。
- シューマン「詩人の恋 Op.48」:1840年に作曲。歌とピアノが一緒に物語を伝える歌曲集
- シューマン「交響曲第1番『春』Op.38」:1841年に初演。明るい勢いや、豊かな歌を感じられる作品
- メンデルスゾーン「交響曲第3番『スコットランド』Op.56」:1842年に完成。風景を思い浮かべながら聴くのも楽しい交響曲
ピアノでも、歌手が息を吸うようにフレーズを始めたり、弦楽器のように旋律をつないだり。ほかの楽器からも、演奏のヒントをもらえますね。
参考:カーネギーホール「詩人の恋」作品情報、フォートコリンズ交響楽団「春」解説、ロサンゼルス・フィル「スコットランド」解説
同じ時代の芸術作品も
1841年前後の絵画では、こんな作品があります。
ちなみにこの記事で登場する画像はすべて、ドラクロワ風に、とAIに伝えて制作してます!
- ドラクロワ「ショパンの肖像」:1838年。もともとは、ショパンとジョルジュ・サンドを描くひとつの作品だった
- ターナー「戦艦テメレール号」:1839年。夕暮れの光の中に、船の最後の航行を描いた作品
- ターナー「雨、蒸気、速度」:1844年。蒸気機関車と風景が、光や空気の中に溶け合うような作品
ドラクロワは、単に同じ時代に生きていた画家というだけでなく、ショパンの姿を実際に描いています。
参考:ルーヴル美術館の作品資料、ナショナル・ギャラリー「戦艦テメレール号」、「雨、蒸気、速度」
同じ時代の日本史と世界史もサクッと
「バラード第3番」が作曲された1841年、日本は江戸時代の天保12年です。
これはおまけ的に…。
- 日本:1841年、水野忠邦による天保の改革が始まる
- イギリス:1837年にヴィクトリア女王が即位。第3番は、その数年後の作品
- 中国とイギリス:1839〜1842年、アヘン戦争が起こる
ショパンの音楽を、日本ではまだ江戸時代だった頃の作品として聴いてみる。ちょっと歴史の距離感が変わりますね。
参考:国立国会図書館「天保の改革」、ロイヤル・コレクション「ヴィクトリア女王」、英国国立陸軍博物館「第一次アヘン戦争」
ショパン「バラード第3番」の難易度は?
「バラード第3番」は、上級者向けの作品です。
ヘンレ出版社の9段階の難易度では「8(難しい)」に分類されています。
速い音を弾くだけでなく、旋律と伴奏を弾き分けたり、内側の声部を聴いたり、7〜8分ほどの音楽をひとつの流れにまとめたりする力が求められます。
冒頭が弾けた時と、後半を譜読みした時で、曲への印象が変わるかもしれません。やさしい顔で始まるけど、後半はなかなか手ごわいです。笑
ほかのバラードと比べると?
ヘンレ版の分類では、第1番・第2番・第3番が「8」、第4番が「9」です。
個人的に、実際に弾いてみてすごく納得です。
第3番を最初のバラードの候補にすることはあります。ただし、4曲の中で取り組みやすく感じるかどうかは、左手の動きや和音、跳躍などの得意・不得意でも変わります。
- 第1番:終盤のコーダを含め、跳躍や急速な動きへの対応が大きな課題
- 第2番:穏やかな部分と激しい部分の切り替え、速い音型の安定が課題
- 第3番:リズムのしなやかさ、声部の弾き分け、後半の左手が課題
- 第4番:重なり合う声部の整理と、細かな変化を積み上げる構成力、終盤の技巧が課題
「第3番が弾ければ、ほかも同じように弾ける」というわけではなく、それぞれ違う難しさがありますね。
ショパン「バラード第3番」の弾き方・練習のポイント

この曲は、「きれいに歌う部分」と「難しい部分」を別々に考えすぎないことも大切だと思います。
音が増えても、テンポが動いても、どの旋律が続いているのか。そのつながりを聴きながら練習してみたいですね。
冒頭:右手と左手の会話を聴く
冒頭は「右手が主役、左手が伴奏」と決めつけず、旋律がどの声部へ受け渡されるかを探してみます。
- 歌わせたい音だけを抜き出して弾き、ひとつの旋律としてつなげる
- 片手ずつの練習に加えて、両手にまたがる旋律だけでも練習する
- 和音を戻す時は、旋律が埋もれないところまで伴奏を控える
- フレーズの終わりで毎回止まりすぎず、次の問いかけへつなぐ
最初から立派な音を出そうとするより、近くの人に語りかけるような響きを探すと、音楽を始めやすいと思います。
6/8拍子:細かく数えながら、大きく2つに感じる
6/8拍子は、8分音符6つを同じ重さで並べると、流れが重くなりがち。
譜読みでは細かく数えても、音楽としては「3つ+3つ」の大きな2拍を感じたいところです。
ただし、2拍を感じるために毎回アクセントを付ける必要はありません。拍の支えは保ちつつ、その上を旋律が自由に進んでいくイメージです。
揺れる音型:オクターブの上下を全部同じ強さにしない
第52小節付近からの、音が上下に揺れるような場面。ここは、音の並びだけでなく、スラーやアクセント、どの音を長く感じるかにも注目したいところ。
- 指の動きだけで覚えず、拍と音型のずれをゆっくり確認する
- 上下の音をすべて強く弾かず、旋律の方向を決めてみる
- 動きに合わせて手首を大きく振りすぎず、必要な範囲で移動する
- まずペダルを少なめにして、音の長さとつながりを聴く
ここで毎回大きく揺らすと、後半に向けた余白が少なくなります。最初の登場では、少し控えめな表情も試してみたいですね。
後半の難所:左手を「形」と「移動」に分けて練習
第157小節付近からの嬰ハ短調の場面は、大きな難所のひとつ。
右手の旋律を聴かせながら、左手の細かな動きを続けます。両手で何度も通す前に、左手の中身を整理しておくと練習しやすくなります。
- 左手を1拍、または移動のまとまりごとに区切る
- 同じ和音に属する音を、届く範囲でまとめて確認する。広い形を無理に同時につかまない
- 低音だけを抜き出して弾き、和声がどこへ進むかを聴く
- 音型を戻したら、親指や手の移動で急なアクセントが出ないか確かめる
- 右手の旋律+左手の低音だけで合わせ、そのあと左手の細かな音を戻す
- 短い単位が弾けたら、前後のつなぎ目を含めて少しずつ長くする
「左手を間違えないこと」に意識が集まると、右手の歌を聴く余裕がなくなりがちです。
そんな時は、音数を減らした練習に戻るのもおすすめ。いったん音楽の骨組みを聴いてから、元の響きに戻してみます。
ペダル:和声だけでなく、低音と内声の濁りも聴く
「1小節に1回」などと固定せず、低音の変化や細かな音の動き、楽器の響きに合わせて考えます。
ペダルなしで音の役割を確かめたあと、つながりに必要な響きを足していく。濁る場所は、踏む深さや踏み替えのタイミングも変えてみるとよさそうです。
指だけですべてを無理につなごうとする必要もありません。離してよい音と、耳の中でつなぎたい旋律を整理したいですね。
ルバートと終盤:自由に弾くために、戻れる拍を作る
ルバートは、気分でテンポを崩すことではなく、フレーズや和声に合わせて時間をしなやかに使うこと。
まずは落ち着いたテンポで流れを作り、そのあと「どこを少し待ちたいか」「どこから先へ進みたいか」を考えてみます。
終盤の「stretto」「più mosso」へ向かう前から走ってしまうと、最後の高まりが作りにくくなります。コーダだけでなく、その少し前からつなげる練習も大切です。
録音したら、ここを聴いてみる
自分の演奏を録音すると、弾いている最中には気づかなかったことが見えてきます。
- 冒頭の旋律が、伴奏に埋もれずにつながっているか
- 難しい部分だけ、急に速くなったり遅くなったりしていないか
- 左手を頑張るあまり、右手の旋律より目立っていないか
- 同じ主題が戻る時、前との違いが伝わっているか
- 終盤に向けて、音量と気持ちの余白が残っているか
全部を一度に直そうとせず、今日は「左手の音量」だけ、次は「フレーズのつなぎ方」だけ。そんなふうに聴くと、練習の目的もはっきりしますね。
ショパン「バラード第3番」に出てくる音楽用語
演奏の性格を考えるうえで大切な楽語をまとめました。よく知られている強弱記号やクレッシェンド、レガートなどは省いています。
- mezza voce → 声を半ばに抑えて。十分な響きを保ちながら、控えめな声で
- ten.(tenuto)→ 音の長さを十分に保って。フレーズの中で、その音を大切に
- leggiero → 軽く、身軽に
- sostenuto → 音やフレーズを十分に支えて、保つように
- smorz.(smorzando)→ 響きを消していくように。弱まりながら、勢いも静まっていく感じで
- sotto voce → 声をひそめて、抑えた響きで
- stretto → 切迫して、畳みかけるように。この曲の終盤では、流れを詰めていく感じで
- più mosso → それまでより動きを増して、より速く
特に冒頭の「mezza voce」は、ただ弱い音を出すだけではなく、芯のある声を控えめに届けるようなイメージ。
「sostenuto」も、書いてある場所で急に大きく減速する、と決めつけず、旋律を十分に保つことから考えてみたいですね。
参考:ショパン研究所のデジタル初版楽譜。版によって表記や採用する指示が異なる場合があるため、手元の楽譜とも照らし合わせてください。
ショパン「バラード第3番」で聴きたい名演9人

オススメは、ツィメルマン、ルービンシュタイン、ペライア、アシュケナージ、ポリーニ、コルトー、アルゲリッチ、チョ・ソンジン、リシャール=アムランの9人。
誰かひとりをそのまままねるというより、「ここはこんなふうにも歌えるんだ」と、表現の選択肢を増やすつもりで聴くと楽しいと思います。
以下には、聴き比べる時に注目したいポイントも添えました。
クリスチャン・ツィメルマン
ポーランド出身のピアニスト。ショパンのバラードを聴くなら、まず候補に入れたい一人です。
さすがショパンと同じポーランド人ということで「バラードはこうでなくては」の決定版のようにも感じる名演だと思っています。
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アルトゥール・ルービンシュタイン
ポーランド出身で、ショパンの演奏を聴くうえで欠かせないピアニスト。
あくまでも自然体。
自然体にして至高、といった名演だと思います。
また歴史的な名演奏家でもあって、絶対に聴くべき一人です。
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マレイ・ペライア
アメリカ出身のピアニスト。バッハや古典派とともに、ショパンの録音も聴いておきたい奏者です。
現代的な感性だと思います。
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ウラディーミル・アシュケナージ
ショパンの幅広いピアノ作品を録音しているピアニスト。
定番のように思われているけど、個人的にものすごい感性の良さを感じるな〜と。
このエッセンスを取り得れるだけでも聴く価値があると言えます。
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マウリツィオ・ポリーニ
イタリア出身のピアニスト。ミスターパーフェクトもショパンのバラード4曲を録音しています。
とにかくどこをとってもパーフェクト。
音が冷たい…と言われたりもしているけど、ボクはまったくの誤解だと思います。
とにかく良い音で完璧に演奏していて、1つの芸術作品になっていますね。
アルフレッド・コルトー
ショパンの歴史的な録音を聴くなら、ぜひ加えておきたいピアニスト。ワーナーの「ワルツ集&バラード集」にも、第3番が収録されています。
このコルトーの演奏も、「バラードはこうあるべき」を感じる演奏です。
現代の感性とは、ちょっと合わないところもあるけど、それでも至高の演奏の1つであることは間違いないです。
» コルトーの「バラード第3番」をYouTubeで探す
» ワーナー公式サイトで収録曲を確認する
マルタ・アルゲリッチ
アルゼンチン出身のピアニスト。第3番のライブ録音も残されていて、ほかの演奏家と聴き比べたい一人です。
アルゲリッチを聴かないでどうする!といった演奏です。
現代最高のピアニスト。間違いなく聴いて損はないです。
感性に直接訴えかけるようなイメージに思います。
チョ・ソンジン
韓国出身のピアニスト。ドイツ・グラモフォンの公式サイトには、ベルリンの「イエロー・ラウンジ」で演奏した第3番の映像があります。
完成度。という意味でチョ・ソンジンが極めてしまったように思います。
音は透明で、現代の模範的な演奏の1つ。
コンクールや受験で、間違いなく参考になる演奏です。
» チョ・ソンジンの演奏(公式サイトで見る)
» 同じ演奏をYouTubeで探す
シャルル・リシャール=アムラン
カナダ出身のピアニスト。ショパン研究所の公式チャンネルでは、2015年のショパンコンクール第1次予選での第3番を聴くことができます。
若き巨匠。といった名演だと思います。
ソンジンとはまた違った魅力で、大人な演奏といったイメージ。
こちらも受験やコンクールの参考になると思います。
» リシャール=アムランの演奏(YouTubeで聴く)
» 見つからない時は、演奏者名と曲名で検索
音質良く名演を聴く
ピアノの小さな音や余韻まで楽しみたい方には、Amazon Music Unlimitedも候補に。
探す時は、演奏家の名前に「Ballade No.3」「Op.47」を加えると、目的の曲を見つけやすくなります。
同じ演奏家でも録音が複数あるので、気に入った演奏のアルバム名も控えておくと便利ですね。
» Amazon Music Unlimitedの無料体験を確認する
配信状況や無料体験の対象・期間は、リンク先でご確認ください。無料体験は、期間終了後に有料で自動更新されます。
ショパン「バラード第3番」のオススメ楽譜3選

楽譜はどれでも同じ?というと、音やスラー、運指、資料の読み方などに違いがあります。
第3番に取り組むなら、まずはエキエル版・ヘンレ版・パデレフスキ版の3つが候補に。
エキエル版「バラード集」
ショパンの資料に基づいて、楽譜をじっくり読みたい方に。
ヤン・エキエルとパヴェウ・カミンスキが校訂した「ナショナル・エディション」の曲集です。自筆譜やショパンが認めた写譜、初版などを検討し、演奏や資料についての解説も付いています。
「この音はどうしてこう書かれているのだろう」「別の版と違うけど、どんな根拠があるのだろう」。そんな疑問を持ちながら学びたい時に、頼りになる一冊です。
購入する時は、解説の言語も確認しておくと安心。ここで参照したPWMの版は、英語・ポーランド語の表記です。
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» PWM出版社で版の情報を確認する
ヘンレ版「バラード集」
原典版を用意したい方には、ヘンレ版も候補に。
曲集の番号は「HN 862」。ノルベルト・ミュレマンによる校訂、ハンス=マルティン・テオポルトによる運指が付いています。
第3番だけほしい方には、一曲版の「HN 937」もあります。
まず第3番だけをじっくり学ぶのか、ほかのバラードも読みたいのか。使い方に合わせて選べるのも便利ですね。
なお、運指はショパン自身の指示とは限りません。校訂者や運指担当者の提案も含まれるので、手の形や弾き方に合わせて考えてみたいところです。
» ヘンレ版のバラード集をAmazonで探す
» 第3番の一曲版をAmazonで探す
パデレフスキ版「ショパン全集 III バラード」
日本語の解説や注釈も読みながら学びたい方に。
パデレフスキ監修のショパン全集で、日本語版にはバラード全4曲が収録されています。確認した商品のコードは「GTY01101541」、ISBNは「9784636112283」です。
以前からこの版でショパンを学んでいる方や、レッスンで使っている先生と楽譜をそろえたい方にも、選びやすい一冊だと思います。
エキエル版やヘンレ版と違うところがあっても、すぐに「どちらかが間違い」と決めつけず、注釈や元の資料を確認してみると勉強になりますね。
» パデレフスキ版の楽譜をAmazonで探す
» ヤマハの楽譜情報で内容を確認する
まとめ:ショパン「バラード第3番」の難易度・背景・弾き方・名演・楽譜
それでは最後に、この記事をサクッとまとめて。
- 1841年に作曲された、変イ長調・6/8拍子の作品
- 「バラード」は、物語を語る詩や歌につながる題名。単にゆっくりした曲という意味ではない
- 特定の詩との関係には諸説があり、曲の筋書きとして断定はできない
- 難易度は上級。ヘンレでは9段階中「8」に分類されている
- 弾き方のポイントは、声部の会話、大きな2拍子、後半の左手と旋律のバランス
- 楽語は「mezza voce」「sostenuto」「stretto」など、響きや流れの指示にも注目
- 名演は、ツィメルマン・ルービンシュタイン・ペライア・アシュケナージ・ポリーニ・コルトー・アルゲリッチ・チョ・ソンジン・リシャール=アムランの9人をご紹介
- 楽譜は、エキエル版・ヘンレ版・パデレフスキ版の3つが候補に
少しでも参考になれば幸いです。
最後までありがとうございました!