こんにちは!

こういった方のお役に立てる記事になっています。
本記事の信頼性
自分の演奏経験、指導経験、ピアノの巨匠の名言などを参考にしています。
脱力って簡単ではないけど、すごく上達の助けになってくれるのも事実。
ではさっそく記事で解説していきます。
目次
【方法】ピアノの脱力について【結論:とても重要、急成長します】
【ピアノ】脱力はウソ!?
これは、たまに聞くお話だけど半分ウソで半分ホントだと思ってます。
結論、「人による」からです。
具体的には、あんまり初心者のうちは意識する必要ないし、タッチの弱い人にさらに「脱力が大事だよ」って言ってしまうとかえって下手になってしまうため。
なので、ある程度上達してきた方(例えばツェルニー40番くらいかな)でしっかりとしたタッチの人は、脱力を意識すると上達するかと思います。
実際、ちょっと意識だけでものすごくうまくなった子供さんをみたことがありますよ!
【ピアノ】脱力で得られた3つのこと【体験談】
僕も20代前半の頃、かなり力任せに弾いていました。
脱力を意識したら変わったことを3つご紹介します。
指が速く動く
ある程度、上達した方でないとこれはわかりにくいとは思うけど、自分でもびっくりするくらい速く指が動きました。
その時思ったことは「あ、こんなに楽にピアノが弾けたのか!」です。
腕と指が疲れにくくなる
実は昔、とにかく指と腕がいつも疲れていました。
なので演奏会前とかでもあんまり練習してなかったくらいです…
脱力を意識したらこの疲れはほぼなくなりました。もちろんやり過ぎれば疲れますが。
音が綺麗になる
これは大学受験前の頃の話だけど、かなり練習してて(たしか平均8時間くらい)それでレッスンに言ったら「練習のしすぎで音が汚い」ってアドバイスをいただいたことがあります。笑
やっぱりピアノの音って、疲れがなくてリラックス状態が一番音が綺麗なようです。
前回マウリツィオ・ポリーニが来日した時に、曲目を変えた理由は「腕の疲れが抜けない」ですからね。
【ピアノ】巨匠から脱力を学ぶ
ピアノの一番の上達法ってピアノの巨匠から学ぶのが一番だと思ってます。
「でも良くわからないよ、、」って言われてしまいそうですが、真剣に演奏を聴いたり、映像を見ていると勉強になることってたくさんあります。
今回は、脱力に関係ありそうな2人の巨匠をご紹介します。
アルトゥール・ルービンシュタイン
言わずと知れたピアニストの王様です。
ルービンシュタインの場合、その姿を見ていてもすごく勉強になります。
こちらは、ルービンシュタインを代表する名盤「ショパンのノクターン集」のパッケージからの引用だけど、とにかくリラックスの極みであることがわかります。
以前アリエ・ヴァルディ先生のレッスンを聴講したことがあるけど、ショパンの練習曲を持ってきた生徒さんに「ルービンシュタインの弾き方をイメージして」とアドヴァイスされていました。
ヴァルディ先生は、ピアノの巨匠。そして教えることも巨匠という素晴らしい方です。国際コンクールの入賞者がヴァルディ先生門下だらけなんてことも!
ルービンシュタインがポリーニにしたアドヴァイスとは?
ポリーニが18歳でショパンコンクールで優勝したときに「彼は審査員の誰よりも上手い!」と言ったことは大変有名ですが、その後ルービンシュタインはポリーニにあるアドヴァイスをしています。
それは、ポリーニ言葉から引用します。
ルービンシュタインが私の肩に指を置いて「どんなに腕の重みがあるか感じてごらん。この重さで弾くんだよ」とアドヴァイスしてくれました。
引用元の書籍は、先日出版されたばかりの「マウリツィオ・ポリーニ 知・情・意を備えた現代最高峰ピアニストのすべて」からです。
アンドラーシュ・シフ
アンドラーシュ・シフも現代最高のピアニストの一人です。
実は今年シフの演奏を聴きに行きましたが(コロナが流行り出しの頃でギリギリセーフ)大変素晴らしい演奏でした。
そんなシフが脱力については、こんなことを言っています。
「ピアノの前にどう座るか、ということから始まっています。多くの人は無理な姿勢をとっています。聞く前に分かります。そこから良い音は生まれません。みんな硬くなりすぎているのです。」
こちらはアンドラーシュ・シフのエッセイ「静寂から音楽が生まれる」と著書の中からの引用です。
僕の愛読書でもあります。
【ピアノ】脱力の方法
これは、いろいろなところから集めた情報と僕の経験をもとにしています。
割と有料級の情報↓だと思いますがいかがでしょうか。笑
どんなことをイメージする?
- ヒジはホワッとリラックスしている
- 肩で弾いているように意識する
- 指の先は鉄。あとはタコになった。(もちろん食べる方のタコです笑)
- 重力を意識する(地球でピアノを弾くのと、宇宙でピアノを弾くのではきっと違いますね)
- 腕の重さを意識する(ルービンシュタインの言葉より)
これくらいイメージできたらかなり脱力できると思いますがいかがでしょうか?
ピアノの脱力の練習に音階は有効
上記のイメージを試す一番いい方法は、音階の練習だと思っています。
僕は普段、習いにきていただいている方には、「全調練習するよいいよ」とアドヴァイスさせていただいていますが、音階を全調リラックスして弾けたらかなりピアノが上達すると思います。
音階の効果については、こちらの記事を参考にしてください。
力はあったほうがいい!
最後に、脱力って「力を抜く」ということですからね。もともと力がないのに力を抜くって無理です。
なので高校生とかになったら、筋トレした方が力って抜けますよ。
ヴァイオリニストの五嶋龍さんなんか相当鍛えてますが、おそらくヴァイオリンで脱力して演奏するためだと思います。
まとめ:【方法】ピアノの脱力について
ピアノの脱力って感覚的なものだから、完璧に教えるって不可能です。
身体の大きさとか、特徴とか人それぞれ違いますからね。
どうしても自分を基準に考えてしまいがちです。
なので、まずは「脱力してみよう」と思って「自分で実験しつつ」というのが前提だと思います。
少しでも参考にしていただけたら幸いです。